成人ICU患者の疼痛・不安・興奮/鎮静・せん妄・不動・睡眠障害の予防と管理:臨床実践ガイドラインのフォーカスアップデート
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
本アップデートは、ICU鎮静でデクスメデトミジンをプロポフォールより推奨し、強化された動員・リハビリおよび睡眠支援としてのメラトニン投与を提案した。一方、不安に対するベンゾジアゼピンやせん妄に対する抗精神病薬の使用は推奨できないとした。PADISの対象を不安にも拡張し、非薬物療法の重要性を強調している。
主要発見
- 成人ICUでの鎮静においてデクスメデトミジンをプロポフォールより条件付き推奨。
- 強化された動員/リハビリとメラトニン投与を推奨。
- 不安の治療としてのベンゾジアゼピン、せん妄の治療としての抗精神病薬は推奨不可。
臨床的意義
ICU鎮静では可能な限りデクスメデトミジンを選択し、強化動員プロトコールを実装、睡眠支援としてメラトニンを検討する。不安へのベンゾジアゼピン、せん妄への抗精神病薬の常用は避ける。
なぜ重要か
鎮静・動員の推奨は日常のICU管理や薬剤選定を直ちに変え、せん妄、人工呼吸器期間、回復経過に波及効果を持つ。
限界
- 一部領域でエビデンス確実性が中〜低であり、推奨の多くが条件付き
- 介入およびアウトカムの異質性が大きい
今後の方向性
鎮静戦略の直接比較RCT(せん妄、人工呼吸器離脱日数、長期転帰)、動員バンドルの実践的試験、メラトニン以外も含む睡眠介入の確立が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - GRADE評価を伴う系統的レビューに基づくガイドライン
- 研究デザイン
- OTHER