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胸腔鏡下肺切除患者における術後鎮痛手技のベイズネットワーク・メタアナリシス

Pain and therapy2025-02-23PubMed
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7

概要

ランダム化試験の統合では、24時間時点の安静時・咳嗽時痛に対して傍脊椎ブロック(PVB)が最良とランクされ、脊柱起立筋面ブロック(ESPB)は安全性に優れた。胸部硬膜外麻酔(TEA)は早期鎮痛は強いが副作用のため総合的には適さないとされた。一貫性は良好で、メタ回帰・感度分析でも順位は堅牢であった。

主要発見

  • SUCRA順位:24時間では安静・咳嗽時ともPVB > TEA > ESPB > INB > 対照 > SAPB。12時間ではTEAが早期鎮痛で優位。
  • PVBは24時間の安静時・咳嗽時VASで一貫して最上位だった。
  • ESPBは副作用が少なく適した選択肢、TEAは副作用過多により総合的には不適と評価。
  • ネットワークの一貫性は良好で出版バイアスは最小。メタ回帰では研究質や切開部浸潤麻酔の影響は有意でなかった。

臨床的意義

VATS肺切除後の鎮痛にはPVBを第一選択とし、安全性や副作用の少なさを重視する場合はESPBを検討する。副作用の観点からTEAの常用は控え、患者リスクに応じて個別化する。

なぜ重要か

胸部手術で広く用いられる区域鎮痛手技の比較有効性を提示し、副作用懸念のあるTEAの常用からPVB/ESPBへの移行を後押しする実践的知見である。

限界

  • 手技・用量・周術期プロトコールの不均一性が存在する
  • 有害事象のプロファイルや長期機能アウトカムが十分に記載されていない

今後の方向性

標準化アウトカムと安全性指標・資源利用を含むPVB対ESPBの実用的RCT、ならびに胸部手術のERASプロトコールへの統合が求められる。

研究情報

研究タイプ
メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - ランダム化比較試験を対象とした系統的レビューおよびネットワーク・メタアナリシス
研究デザイン
OTHER