敗血症ICU生存者における機能低下・回復の表現型:1年間追跡多施設コホート解析からの知見
総合: 80.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
21施設前向きコホート(n=220)で、敗血症関連PICSの4表現型(なし、軽度、中等度、重度)が同定されました。軽度の身体・認知障害は3か月で改善しましたが、中等度・重度では12か月まで障害が持続し、重度群では抑うつが残存し生存率も低下しました。
主要発見
- 退院時に4表現型を同定:PICSなし(62例)、軽度(身体・認知;55例)、中等度(全領域;53例)、重度(全領域;50例)。
- 軽度群は3か月で改善したが、中等度・重度群では12か月にわたり障害が持続。
- 中等度・重度群の精神症状は改善傾向だが、重度群では12か月時点でも抑うつが残存。
- 全群でQOL低下と就労低率(0–50%)が持続し、重度群では生存率が継続的に低下。
臨床的意義
退院時のスコア(Barthel、SMQ、HADS、IES-R、EQ-5D-5L、フレイル、握力/MRC)で表現型を判定し、中等度・重度PICSには集中的で多職種のリハビリとメンタルヘルス介入を優先。重度群は死亡リスクが高く厳密な追跡が必要です。
なぜ重要か
退院時評価に基づく表現型化は、敗血症ICU生存者の個別化フォローアップとリハビリ資源配分を可能にし、長期転帰の改善に直結する実践的枠組みを提供します。
限界
- 症例数が中等度(n=220)で、生存退院者に限定される選択バイアスの可能性
- 表現型はデータ駆動であり、一般化には外部検証が必要
今後の方向性
より大規模な国際コホートで外部検証を行い、表現型に基づくリハビリ・メンタルヘルス介入の実装試験でサバイバーシップ転帰の改善を検証すべきです。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 前向き多施設コホートで予後表現型を同定し1年転帰を評価。
- 研究デザイン
- OTHER