急性脳損傷患者の人工呼吸管理実態と転帰との関連:VENTIBRAIN 多施設観察研究
総合: 73.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
26か国74 ICUのABI患者2095例で、保護的換気は一般的だがばらつきがあり、入室時プラトー圧の中央値は15 cmH2Oでした。ICU滞在中の呼吸器設定はICU死亡と6か月死亡に関連した一方、神経学的転帰不良とは関連しませんでした。
主要発見
- 74 ICU・2095例の国際前向きコホートで日次の呼吸器設定を14日まで記録。
- 保護的換気は普及しているが国ごとのばらつきが大きい。
- ICU滞在中の設定はICU・6か月死亡リスクの上昇と関連。
- 6か月時点の神経学的転帰不良とは関連がみられなかった。
臨床的意義
保護的換気を基盤としつつ不要なばらつきを抑え、死亡と関連する設定を注意深くチューニングすべきです。神経学的転帰との関連が乏しい点は、神経保護に加え全身安全性指標の重視を示唆します。
なぜ重要か
ABIにおける人工呼吸の国際的ベンチマークと、修正可能な設定と死亡の関連を示し、実践の標準化と介入試験設計に資する高外的妥当性のデータです。
限界
- 観察研究であり因果推論に限界、残余交絡の可能性
- 各国の実践差により特定閾値の一般化可能性に制約
今後の方向性
ABI病態に適合した換気戦略を検証するランダム化試験と、有害なばらつきを減らす合意プロトコルの策定が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 人工呼吸設定と転帰の関連を示す国際前向き観察コホート。
- 研究デザイン
- OTHER