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成人心臓手術における異なる抜管プロトコル:系統的レビューおよびペアワイズ・ネットワークメタ解析

BMC anesthesiology2025-02-27PubMed
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

本系統的レビュー/ネットワーク・メタ解析(12研究、1,454例)では、成人心臓手術後の遅延抜管は早期または術台上抜管に比べ、成功率が高く失敗率が低いことが示されました。他方、早期抜管は費用対効果や安全性の利点が示唆され、患者特性に応じた個別化が重要とされます。

主要発見

  • ペアワイズ解析:遅延抜管は術台上直後抜管よりプロトコル成功で優越(RR 1.52、95%CI 1.21–1.91)。
  • ネットワーク・メタ解析:遅延抜管は早期抜管および術台上抜管より失敗リスクが低い傾向(RR 0.76、0.22)。
  • SUCRAの順位付けでは、抜管失敗を最小化する戦略として遅延抜管が最上位(94%)。
  • 早期抜管は費用対効果や安全性で利点が示唆され、個別化意思決定の必要性が強調される。

臨床的意義

抜管失敗ハイリスク患者では遅延抜管を基本選択とし、ローリスクでは早期抜管の資源・費用対効果を勘案。リスク層別化した抜管パスを策定し、抜管失敗や再挿管などの品質指標を継続監視します。

なぜ重要か

ネットワーク・メタ解析により、超早期抜管の潮流に対し失敗リスクを定量化し、戦略間の比較エビデンスを提示。心臓麻酔・ICUでのプロトコル設計と個別化に資する重要な知見です。

限界

  • 早期・遅延抜管の定義や時間枠が研究間で不均一。
  • 研究数が限られ、選択・出版バイアスの可能性、交絡因子調整のばらつき。

今後の方向性

抜管定義の標準化とリスク層別化を備えた多施設前向きRCTにより、失敗リスクと資源利用・患者中心アウトカムの最適なバランスを検証する必要があります。

研究情報

研究タイプ
メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 実臨床を方向付ける比較研究の系統的レビュー/ネットワーク・メタ解析。
研究デザイン
OTHER