米国における開腹手術の周術期肺拡張と肺転帰(PRIME-AIR):多施設ランダム化対照第3相試験
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
中等度〜高リスクの開腹手術患者を対象とした多施設第3相RCTでは、周術期肺拡張バンドルの遵守率は高く(72–98%)、介入群は通常ケアに比べて術中の平均PEEPが高かった。修正ITT解析は751例で実施された。
主要発見
- 多施設第3相RCTで794例を登録し、修正ITTは751例(介入379、対照372)。
- バンドル各要素の遵守率は高かった(72〜98%)。
- 介入群は通常ケアより高い術中平均PEEP(報告値7.5 cmH2O)を受けた。
- 適格基準はARISCAT≥26、BMI<35 kg/m²、2時間以上の待機的開腹手術。
臨床的意義
個別化された術中肺拡張戦略の体系的導入の妥当性を支持する。最終的な転帰の詳細を待ちつつ、ハイリスク開腹手術で高い遵守を可能にするプロトコルやPEEP調整の取り組みを参考にできる。
なぜ重要か
PPC低減を目的とした大規模かつ厳密なNIH資金のRCTであり、開腹手術の周術期換気バンドルと標準実践に影響を与える可能性が高い。
限界
- 提示された抄録ではPPC転帰の効果量が明示されていない。
- BMI<35 kg/m²かつ2時間以上の開腹手術に限定され、術中担当者の盲検化が困難で外的妥当性に制約がある。
今後の方向性
PPC重症度・発生率の詳細、サブグループ効果(ARISCAT層など)、異なるBMIや腹腔鏡手術への実装可能性の検証が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 多施設第3相ランダム化比較試験(修正ITT解析)。
- 研究デザイン
- OTHER