誘発低血圧下で脳自己調節の下限以下における脳血管抵抗の調節:観察研究
総合: 73.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 7
概要
大動脈基部手術50例でLLCAは平均58 mmHgでした。LLCA以下でも脳血管抵抗は低下し続け、残存反応性が示され、LLCAは固定閾値ではなく移行帯であることが示唆されました。
主要発見
- 術中のLLCAは平均58(SD 12)mmHgに同定された。
- LLCA以下でも脳血管抵抗は連続的に低下し、反応性の持続が示された。
- LLCAは固定点ではなく、自己調節が枯渇する領域と機能する領域の間の移行帯と捉えるべきである。
臨床的意義
低血圧管理では単一のLLCA閾値ではなく、個別かつ動的な脳血管反応性を考慮すべきであり、中大脳動脈血流速度などの連続モニタリングが目標設定に有用となり得ます。
なぜ重要か
脳自己調節の「固定された下限」という従来概念に疑義を投げかけ、計画的低血圧時の血行動態目標設定を精緻化します。
限界
- CBFの代替指標としてのMCA血流速度の限界(麻酔下での影響)
- 単一術式(大動脈基部手術)での知見であり一般化に限界がある
今後の方向性
自己調節の領域と神経学的転帰の関連を検証し、多手術領域での多モダリティ(NIRS、TCD等)検証と個別化BP目標アルゴリズムの開発を進める。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - 前向き観察的(術中)研究
- 研究デザイン
- OTHER