高齢手術患者における遅発性神経認知回復遅延および術後神経認知障害の予防:ランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシス
総合: 79.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
39件のRCTを統合した結果、デクスメデトミジンはDNRを41%低減(RR 0.59)、TIVAは20%低減しました。P‑NCDの予防エビデンスは限定的であり、さらなる十分に検出力のある試験が必要です。
主要発見
- RCTのメタ解析で、デクスメデトミジンは対照比でDNRリスクを41%低減した。
- TIVAは非TIVAに比べてDNRリスクを20%低減した。
- P‑NCD予防のエビデンスは不十分で、より堅牢なRCTが必要。
臨床的意義
高齢の非心臓手術患者では、DNR低減のためにデクスメデトミジン併用やTIVAの採用を検討し、徐脈・低血圧などの副作用リスクと利益を個別に評価すべきです。
なぜ重要か
高齢者の早期術後神経認知低下を軽減する、麻酔特異的かつ実践的な戦略を提示する点で重要です。
限界
- 試験間でDNR/P‑NCDの定義・時期・評価法に不均一性がある
- 長期のP‑NCDや機能転帰に関するデータが限られる
今後の方向性
認知評価の標準化と十分な検出力を備えたRCTを実施し、デクスメデトミジンの用量戦略比較や(深度モニタ+TIVA+睡眠最適化など)多面的介入バンドルの検証を行う。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験のメタアナリシス
- 研究デザイン
- OTHER