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鎖骨上神経ブロック補助薬としてのデキサメタゾン静注・神経周囲併用の相加・相乗効果:ランダム化比較試験

Anesthesiology2025-03-04PubMed
総合: 79.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7

概要

104例の解析で、デキサメタゾン静注は対照比で感覚ブロックを4.5時間(95%CI 1.3–7.7)延長し、24時間の疼痛とオピオイド使用を低減した。神経周囲投与の上乗せ効果は全アウトカムで認められず、補助薬としては静注単独で十分であることが示唆された。

主要発見

  • 感覚ブロック持続:静注21.3±7.3時間、静注+神経周囲20.6±6.1時間、対照16.8±6.8時間。
  • 静注は対照比で4.5時間延長(95%CI 1.3–7.7、P=0.006)、静注+神経周囲は3.8時間延長(95%CI 0.8–6.8、P=0.015)。
  • 静注と静注+神経周囲の間に疼痛、オピオイド消費、反跳痛などの差は認められなかった。

臨床的意義

鎖骨上ブロック補助薬としてはデキサメタゾン静注を第一選択とし、上乗せ効果がないため神経周囲投与の常用は避ける。

なぜ重要か

静注で同等効果が得られるため、オフラベルの神経周囲投与を控える判断材料となり、手順の簡素化と安全性向上に資する。

限界

  • 鎖骨上ブロック・上肢手術に限定され汎用性に制約
  • 感覚持続に対する検出力設計で稀な有害事象の検出は不十分の可能性

今後の方向性

用量最適化や他の末梢神経ブロックへの適用性を検証し、投与経路別の長期安全性・神経障害リスクも評価する。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - デキサメタゾン投与経路を評価したランダム化比較試験
研究デザイン
OTHER