複合性局所疼痛症候群患者における腸内細菌叢の組成と機能の変化
総合: 76.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 9
概要
2地域の症例対照研究(CRPS 53例、対照52例)で、CRPSは短鎖脂肪酸代謝菌を含む腸内細菌叢の変化と、糞便・血漿短鎖脂肪酸レベルの差と関連しました。腸内細菌叢プロファイルのみで独立コホートのCRPSを高精度に分類できました。
主要発見
- CRPSと対照(53対52)で、短鎖脂肪酸代謝菌を含む複数の分類群に差異が見られた。
- 標的メタボロミクスにより、糞便・血漿の短鎖脂肪酸レベルの差が確認された。
- 腸内細菌叢組成に基づく機械学習が、地理的に独立した検証コホートでCRPSを高精度に分類した。
臨床的意義
直ちに臨床実装は困難ですが、食事・抗菌薬・プロバイオティクスなどによる介入可能性を踏まえたCRPS研究の設計や、腸内細菌叢に基づく診断手法の開発を後押しします。
なぜ重要か
腸内細菌叢とCRPS病態の関連を示し、診断マーカーや治療(マイクロバイオーム介入)の可能性を開く機序・バイオマーカーの端緒を提供します。
限界
- 横断観察研究であり因果関係は示せない
- 食事・薬剤・生活習慣による残余交絡の可能性、16S rRNAはショットガンメタゲノムに比べ機能・菌株分解能が限定的
今後の方向性
縦断・介入研究(食事、プロ/プレバイオティクス、FMT)による因果検証と、ショットガンメタゲノム+メタボロミクスで機能経路と治療標的を明確化することが必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理/診断
- エビデンスレベル
- III - 検証コホートとメタボロミクスを伴うマッチド症例対照研究
- 研究デザイン
- OTHER