高齢手術患者における術後せん妄予防のための酸素リザーブ指数(ORi)ガイド酸素化の評価:ランダム化比較試験
総合: 78.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
単施設RCT(n=114)において、ORiに基づくFiO2調整は術後せん妄を42.1%から12.3%へ低減し、術中の高酸素血症および平均FiO2も低下した。高酸素血症を回避する非侵襲的酸素モニタリングは、周術期の脳アウトカム改善に有用である可能性が高い。
主要発見
- ORi+SpO2群の術後せん妄は対照群より有意に低率(12.3% vs 42.1%、P<0.001)。
- ORiガイダンスにより術中平均FiO2は有意に低値(P<0.001)。
- 高酸素血症エピソードはORi+SpO2群で減少。
臨床的意義
ORiとSpO2に基づく酸素投与調整で高酸素血症を回避することで高齢者の術後せん妄を減らせる可能性がある。利用可能な環境では、リアルタイムORiを用いて低めのFiO2目標を検討すべきである。
なぜ重要か
術後せん妄に関連する可変因子である高酸素血症を術中に低減し得る介入を大きな効果量で示しており、実装可能性が高い。
限界
- 単施設・中規模サンプルである。
- 酸素投与調整の盲検化が困難でパフォーマンスバイアスの可能性。
今後の方向性
ORiガイド酸素化の効果を術後せん妄および長期神経認知アウトカムで検証する多施設ブラインド化RCT、ならびに費用対効果・実装研究が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験による高水準のエビデンス
- 研究デザイン
- OTHER