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手術部位感染予防におけるトリクロサン含有縫合糸:システマティックレビューとメタアナリシス

JAMA network open2025-03-07PubMed
総合: 76.5革新性: 6インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7

概要

31件のRCT(n=17,968)の統合で、トリクロサン含有縫合糸は非含有に比べ手術部位感染を有意に低減しました(RR 0.75、95%CI 0.65–0.86)。試験逐次解析により、この結論は堅牢で将来の試験で覆る可能性は低いと示されました。

主要発見

  • 31件のRCT(n=17,968)でトリクロサン含有縫合糸はSSIを低減(RR 0.75、95%CI 0.65–0.86)。
  • 異質性は中等度(I2=43%、τ2=0.04)、エビデンス確実性は中等度(GRADE)。
  • 試験逐次解析で利益境界を超え、結果の堅牢性が示唆された。
  • 高リスク試験を除外した感度分析でも有益性は維持された。

臨床的意義

特別な禁忌や供給制約がない限り、多くの手術で創閉鎖にトリクロサン含有縫合糸を標準採用し、SSI低減を図ります。ERASや感染予防バンドルに組み込みます。

なぜ重要か

議論の的であった介入について、堅牢なエビデンスで支持を強化し、多様な手術で適用可能な低コスト介入によりSSIを減らせる点で重要です。

限界

  • 手術種や施設間での臨床的異質性
  • 異質性により確実性は中等度;術式や感染対策実践の差が影響し得る

今後の方向性

診療領域・施設別の費用対効果評価、標準化バンドルへの導入に関する実装研究、耐性や予期せぬ有害事象の監視が必要です。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー/メタアナリシス
研究領域
予防
エビデンスレベル
I - 一貫した有益性を示すランダム化比較試験のメタアナリシス
研究デザイン
OTHER