健康成人志願者におけるレミフェンタニルがレミマゾラムの薬物動態・薬力学に及ぼす影響
総合: 79.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 8
概要
24例のクロスオーバー試験で、レミフェンタニルはレミマゾラムのPK/PDに影響し、代謝物CNS7054のクリアランスを低下させ、MOAASやBISで鎮静を相乗的に増強した。モデル化により、レミマゾラム約200–275 ng/mLとレミフェンタニル0–0.5 ng/mLの併用で中等度鎮静(MOAAS 2–3)の達成確率が最大となる目標濃度が示された。
主要発見
- レミフェンタニルはレミマゾラム代謝物CNS7054の見かけクリアランスを低下(半最大抑制濃度8.0 ng/mL)。
- MOAAS、BIS、TOL、TOTSの全指標で薬力学的相互作用を検出。
- 中等度鎮静の最適目標:レミマゾラム200–275 ng/mL+レミフェンタニル0–0.5 ng/mL(MOAAS 2–3達成確率約44–45%)。
臨床的意義
レミフェンタニル併用時はレミマゾラムの目標濃度を低めに設定し、鎮静の増強と刺激耐容性の上昇を見込んでTCI設定とMOAAS/BISモニタリングを調整する。
なぜ重要か
広く用いられる超短時間作用型ベンゾジアゼピンとオピオイドの併用に関し、定量的なPK/PD相互作用と実用的な目標濃度を示し、安全かつ精密な滴定に資する。
限界
- 健常被験者であり、手術患者への外的妥当性は限定的。
- TOL/TOTSの曝露–反応関係は試験設計上、十分に解明できず。
今後の方向性
周術期患者(高齢・併存疾患含む)での検証、覚醒プロファイル・呼吸安全性への影響評価、閉ループ鎮静制御への実装研究が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 無作為化対照クロスオーバーの臨床薬理試験
- 研究デザイン
- OTHER