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帝王切開後の鎮痛における新規筋膜面ブロックとくも膜下腔内モルヒネの比較:システマティックレビューとメタ解析

British journal of anaesthesia2025-03-13PubMed
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

18試験(n=1525)で,TAPブロックは早期疼痛でくも膜下腔内モルヒネに劣後。一方,四辺腰方形筋(QL)ブロックは同等の鎮痛に加えオピオイド関連副作用の減少が示唆され,ESPのエビデンスは限定的であった。QLは多角的鎮痛戦略における有力な代替となる。

主要発見

  • 帝王切開後6・12時間の疼痛で,TAPはくも膜下腔内モルヒネに劣後。
  • 四辺腰方形筋ブロックは,くも膜下腔内モルヒネに匹敵する鎮痛とオピオイド関連副作用の減少を示唆。
  • 脊柱起立筋面(ESP)ブロックのエビデンスは限定的で,同等性の結論は困難。
  • 副次転帰では,TAPよりくも膜下腔内モルヒネでオピオイド使用量の低減や可及的早期の動作・授乳が示唆。

臨床的意義

オピオイド関連副作用リスクが高い,またはくも膜下腔内モルヒネが禁忌・利用困難な症例では,四辺腰方形筋ブロックを有効な代替として検討。TAP単独は早期鎮痛で劣る可能性がある。

なぜ重要か

帝王切開後鎮痛における筋膜面ブロックとくも膜下腔内モルヒネの位置づけを明確化し,鎮痛を損なわずにオピオイド関連副作用を減らす可能性を示す。

限界

  • ブロック手技,局所麻酔薬レジメン,多角的補助療法に不均一性がある。
  • ESPの試験数が少なく,確固たる結論には不十分。

今後の方向性

標準化プロトコルでQL対くも膜下腔内モルヒネのRCTを実施し,母体・新生児転帰に焦点を当てたESP対QL/ITモルヒネの試験を十分な規模で行う。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー/メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 無作為化試験のシステマティックレビュー/メタアナリシス
研究デザイン
OTHER