慢性仙腸関節痛の管理における冷却型高周波焼灼術の拡張的有用性:多施設無作為化比較有効性クロスオーバー研究の観察期12か月追跡結果
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
注射で確認された仙腸関節痛患者において,冷却型高周波焼灼術は12か月にわたり痛みを持続的に低下させ(平均NRS 6.4→3.5;約57%がレスポンダー),QOLと機能も改善した。クロスオーバー群でも同様の有益性が得られ,重篤な手技関連有害事象は認めなかった。
主要発見
- 無作為化CRFA群では12か月で平均痛みNRSが6.4±1.4から3.5±2.6へ低下し,57.4%がレスポンダー基準を満たした。
- クロスオーバー群でも12か月で同等の改善(NRS 6.1±1.5→3.4±2.5;約55.6%がレスポンダー)。
- EQ-5D-5L(CRFA +0.22±0.27,XO +0.21±0.33)とODI(CRFA −12.4%±14.7,XO −13.7%±17.1)で臨床的に意味のある改善を示し,重篤なCRFA関連有害事象は認めなかった。
臨床的意義
予測ブロックに反応する注射確認済みSIJ痛では,CRFAを治療選択肢として早期に検討でき,12か月の有益性と低い重篤有害事象リスクが期待できる。
なぜ重要か
多施設無作為化比較有効性データに基づき,CRFAの12か月持続効果を示し,SIJ痛に対する治療選択を後押しする。保険償還,診療パス,ガイドラインに影響し得る。
限界
- 12か月の観察延長とクロスオーバーにより厳密な群間比較が難しく,選択バイアスの可能性がある。
- 偽処置対照がなく,プラセボ効果の影響を完全には除外できない。
今後の方向性
他の介入治療との直接比較試験,費用対効果評価,持続的反応の予測因子を探索するサブグループ解析が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 観察的12か月追跡とクロスオーバーを伴う無作為化比較有効性試験
- 研究デザイン
- OTHER