日帰り手術を受ける就学前児における覚醒時せん妄軽減のための亜麻酔量プロポフォール投与法の比較:二重盲検無作為化比較試験
総合: 78.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 7
概要
セボフルラン下の日帰り腹腔鏡鼡径ヘルニア手術を受けた就学前児160例で、術終盤にプロポフォール1 mg/kgを3分間持続投与すると、他の投与法(30–65%)に比べEA発生率が5%に低下し、抜管・覚醒時間の延長はなかった。PAEDスコアも持続投与群が最良であった。
主要発見
- プロポフォール1 mg/kgの3分間持続投与でEA発生率は5%となり、対照・ボーラス群(30–65%)より著明に低かった。
- PAEDスコアのピークは持続投与群で有意に低かった。
- 抜管・覚醒時間は群間で差がなく、回復遅延は認められなかった。
臨床的意義
セボフルラン麻酔の就学前児では、術終盤にプロポフォール1 mg/kgの3分間持続投与を行うことで、抜管時間に影響を与えずに覚醒時せん妄を最小化できる可能性がある。
なぜ重要か
高リスク小児集団において、回復遅延を伴わずに覚醒時せん妄を大幅に減らす、簡便で導入しやすい投与戦略を示した。
限界
- 単施設・単一術式かつ単一麻酔薬(セボフルラン)での検討
- 早期回復期を超える行動学的追跡がない短期アウトカム
今後の方向性
他術式・他麻酔レジメン・多施設での再現、用量反応・高リスク児での安全性、長期行動学的アウトカムの評価が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 小児日帰り手術での二重盲検無作為化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER