メインコンテンツへスキップ

中等度から重度の急性疼痛に対する非オピオイドNaV1.8阻害薬スゼトリジン:第III相ランダム化臨床試験2件

Anesthesiology2025-03-21PubMed
総合: 82.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7

概要

腹壁形成術および外反母趾術の2件の大規模第III相RCTにおいて、スゼトリジンはプラセボに対しSPID48を有意に改善し、ヒドロコドン/アセトアミノフェンと同等の鎮痛を示した。鎮痛発現はプラセボより速く、有害事象は軽度~中等度であった。選択的NaV1.8阻害薬は術後急性疼痛の非オピオイド選択肢として有望である。

主要発見

  • 主要評価項目を達成:両試験でSPID48はプラセボより有意に改善(腹壁形成術で48.4、外反母趾術で29.3の差)。
  • SPID48においてヒドロコドン/アセトアミノフェンに対する優越性は示されなかった。
  • 臨床的意味のある疼痛低下(≥2点)までの時間はプラセボより短縮(腹壁形成術119分 vs 480分、外反母趾術240分 vs 480分)。
  • 有害事象は軽度〜中等度で、術後の一般的な安全性プロファイルと整合した。

臨床的意義

スゼトリジンは、軟部組織・整形外科手術後48時間の疼痛管理でオピオイド節減を目的とした多角的鎮痛に組み込み得る。薬剤特異的有害事象の監視を行いつつ使用が可能である。

なぜ重要か

オピオイドと同等の有効性を第III相で示した初の標的型非オピオイド鎮痛薬は、術後疼痛プロトコルを変革し、オピオイド使用量削減に寄与し得る。

限界

  • SPID48においてヒドロコドン/アセトアミノフェンに対する優越性が示されなかった
  • エビデンスは2つの術式における48時間の術後疼痛に限定され、長期安全性や汎用性は今後の検証が必要

今後の方向性

NSAIDsや区域麻酔との直接比較、さまざまな手術・日帰り術式での評価、長期安全性、多角的鎮痛におけるオピオイド節減効果(消費量・有害事象)の検証が望まれる。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 高品質の無作為化二重盲検対照第III相試験でプラセボに対する有効性を示す
研究デザイン
OTHER