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重症患者の挿管における挿管前酸素化戦略:ランダム化試験のシステマティックレビューおよびネットワーク・メタアナリシス

The Lancet. Respiratory medicine2025-03-25PubMed
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8

概要

15件のRCT(n=3420)で、挿管前酸素化としてのNIPPVはHFNC(RR 0.73, 95%CI 0.55–0.98)やフェイスマスク酸素(RR 0.51, 0.39–0.65)に比べ挿管中の低酸素血症を減少させました。HFNCもフェイスマスクより優越しました(RR 0.69, 0.54–0.88)。一次成功率と死亡率に差はなく、重篤有害事象はNIPPVでフェイスマスクより少ない可能性が示されました。

主要発見

  • NIPPVはHFNC(RR 0.73, 95%CI 0.55–0.98)およびフェイスマスク酸素(RR 0.51, 0.39–0.65)より低酸素血症を減少。
  • HFNCはフェイスマスク酸素より低酸素血症を減少(RR 0.69, 0.54–0.88)。
  • 一次挿管成功率および全死亡には戦略間で差が認められず。
  • 重篤有害事象はNIPPVでフェイスマスクより少ない可能性、HFNCよりも少ない可能性が示唆。

臨床的意義

重症成人の挿管前酸素化では可能な限りNIPPVを選択し、NIPPVが使えない場合はHFNCをフェイスマスク酸素より優先します。施設内プロトコルは機器整備とスタッフ教育を重視すべきです。

なぜ重要か

広く用いられる挿管前酸素化戦略の比較有効性を明確化し、ICU・救急領域の気道管理ガイドラインを更新する根拠となります。

限界

  • 試験間で重篤有害事象・死亡の定義や手技プロトコルに不均一性がある
  • 低酸素血症の減少にもかかわらず一次成功率や死亡率への影響は示されなかった

今後の方向性

高リスク集団(重度低酸素、肥満など)での直接比較型プラグマティックRCT、併用戦略(NIPPV+HFNC)の検討、費用対効果・実装研究が必要です。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー/メタアナリシス
研究領域
治療/予防
エビデンスレベル
I - ランダム化比較試験を統合したネットワーク・メタアナリシス
研究デザイン
OTHER