オフポンプ冠動脈バイパス術における組織酸素化・循環動態モニタリングに基づく管理(Bottomline-CS):評価者盲検・単施設ランダム化比較試験
総合: 76.5革新性: 6インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
オフポンプCABGの高齢患者1960例で、NIRSと循環動態に基づく管理は組織酸素化の維持に成功したものの、30日主要合併症複合は低減しませんでした(47.3%対47.8%;RR 0.99, P=0.83)。多重性調整後も二次転帰に有意差はなく、肺炎のみ数値的低下を示しました。
主要発見
- 介入群は前額・前腕の複数部位で術前基準±10%からの逸脱時間を有意に短縮。
- 30日主要合併症複合は低減せず(47.3%対47.8%;RR 0.99, 95%CI 0.90–1.08; P=0.83)。
- 死亡や心房細動などの二次転帰に有意差はなく、肺炎のみ数値的低下を示した。
臨床的意義
オフポンプCABGでのNIRS目標管理を日常的に用いても合併症は減少せず、資源は効果が証明された介入に配分すべきです。
なぜ重要か
大規模で厳密なRCTにより、オフポンプCABGでのNIRS主導の酸素化目標管理が臨床転帰を改善しないことが明確に示されました。
限界
- 単施設試験であり一般化可能性に制限
- 対象がオフポンプCABGかつ60歳以上に限定される
今後の方向性
高リスク集団での標的化NIRS戦略の多施設試験と費用対効果評価、他の脳モニタリングとの併用戦略の検討が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療/予防
- エビデンスレベル
- I - 評価者盲検のランダム化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER