帝王切開後の鎮痛法の比較:ネットワーク・メタアナリシスとシステマティックレビュー
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
17技法・110件RCT(n=8,871)の比較では、脊髄くも膜下モルヒネと硬膜外モルヒネが帝王切開後鎮痛で最も有効であった。腰方形筋ブロックや腹横筋群ブロックはオピオイド使用を減らし、横筋筋膜面(TFP)は非オピオイド補助戦略に適した。側方TAPや前後方QLBは合併症を低減し、IM+Petit TAPで満足度が最も高かった。
主要発見
- 帝王切開後鎮痛では脊髄くも膜下・硬膜外モルヒネが最も有効。
- 腰方形筋ブロックと腹横筋群ブロックで術後オピオイド使用が減少。
- 側方TAPと前後方QLBで合併症が減少し、IM+Petit TAPで満足度が最大。
臨床的意義
最強の鎮痛を要する場合は脊髄くも膜下/硬膜外モルヒネを基本とし、オピオイド削減や合併症低減にはQLB(特にQLB III)やTAPを併用。非オピオイド補助戦略には横筋筋膜面ブロックを優先的に検討する。
なぜ重要か
広く用いられる区域・神経軸技法の相対的有効性を明確化し、オピオイド削減と満足度向上を両立する帝王切開後鎮痛プロトコル策定に直結する。
限界
- 技法・用量・評価時点の不均一性により一貫性に影響の可能性
- PRISMA準拠や推移性・非一貫性評価の詳細が抄録では不明
今後の方向性
主要戦略(IM、QLB各種、TAP、TFP)を標準化アウトカム・安全性(掻痒、PONV)・授乳指標で比較する前向きRCTの実施。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験を統合したシステマティックレビュー/ネットワーク・メタ解析
- 研究デザイン
- OTHER