S-ケタミンは人工膝関節全置換術後の反跳痛リスクを低減する:ランダム化比較試験
総合: 78.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 7
概要
356例の二重盲検RCTにおいて、術中S-ケタミン投与は術後12時間の反跳痛発生率を低下(21.3% vs 34.8%; 調整RR 0.62)、発現を遅延し、早期疼痛やオピオイド使用量の減少、回復の質と満足度の改善を示しました。
主要発見
- S-ケタミンは術後12時間の反跳痛発生率を低下(21.3% vs 34.8%; 調整RR 0.62)。
- 反跳痛の発現が遅延し、初回救助鎮痛までの時間が延長。
- 早期疼痛スコアの改善、オピオイド使用量の減少、満足度の向上を示しました(術後3日以内)。
臨床的意義
TKAの多角的鎮痛に術中S-ケタミン投与を組み入れることで反跳痛を低減し早期回復を改善し得ます。施設プロトコールに従い精神症状などの副作用監視を行ってください。
なぜ重要か
TKA後の臨床的に問題となる反跳痛を低減する簡便な術中介入について、即時応用可能なレベルIエビデンスを提示します。
限界
- 追跡期間が短く(3日)、後期転帰や機能回復の評価に限界。
- 単一の用量レジメンと手術対象(TKA)であり、他術式への一般化に制約。
今後の方向性
至適用量・投与タイミングの検討、機能転帰・慢性痛に関する長期追跡、他の手術や高リスク集団での検証が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化二重盲検プラセボ対照試験による最上位の臨床エビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER