メインコンテンツへスキップ

分娩鎮痛における局所麻酔薬併用の有効性と安全性の比較:ネットワーク・メタアナリシス

BMC anesthesiology2025-04-02PubMed
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

59件のRCT(n=6,972)の解析では、ロピバカイン+デクスメデトミジン+スフェンタニルが30分時点の鎮痛効果で最良でした。ブピバカイン併用の一部レジメンは嘔気・嘔吐・低血圧・掻痒の発生率が低い傾向でした。デクスメデトミジン含有レジメンは、スフェンタニルの有無にかかわらず高い有効性と許容可能な安全性を示しました。

主要発見

  • ロピバカイン+デクスメデトミジン+スフェンタニルは、比較レジメンの中で30分時点のVAS低下が最速かつ最良であった。
  • ロピバカイン+デクスメデトミジンでは痛みの持続時間が最長と報告され、鎮痛の時間プロファイル差が示唆された。
  • ブピバカイン+ペチジン、ブピバカイン+デクスメデトミジン、フェンタニル単独、ブピバカイン+ジアモルフィンは、嘔気・嘔吐・低血圧・掻痒の発生率が最も低かった。

臨床的意義

早期鎮痛を重視する場合、ロピバカイン+デクスメデトミジン+スフェンタニルの採用を検討しつつ、母体循環動態・施設プロトコル・胎児安全性に基づき個別化すべきです。デクスメデトミジン含有レジメン導入時はα2作動薬の影響の監視が必要です。

なぜ重要か

本ネットワーク・メタアナリシスは分娩硬膜外鎮痛の有効性・安全性を比較統合し、実装可能なレジメンの優先順位を示して産科麻酔の標準化に資する重要な知見です。

限界

  • 用量・投与戦略・アウトカムの不均一性が大きく、一部レジメンは支える試験数が限られる
  • 鎮痛以外の産科・新生児アウトカム(分娩時間、胎児心拍など)の報告が一様でない

今後の方向性

上位レジメンの直接比較を行う多施設RCTで、用量標準化と母体・胎児アウトカムを包括的に評価し、順位付けと安全性プロファイルの精緻化が求められます。

研究情報

研究タイプ
メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 無作為化比較試験のネットワーク・メタアナリシス
研究デザイン
OTHER