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人工妊娠中絶または子宮内容除去術におけるプロポフォール/エスケタミン対プロポフォール/フェンタニルの呼吸抑制:無作為化臨床試験

Annals of medicine2025-04-02PubMed
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

人工妊娠中絶または子宮内容除去術におけるプロポフォール併用非挿管麻酔で、サブ麻酔量エスケタミン(0.15 mg/kg)はフェンタニル(1 µg/kg)と比べ、麻酔中の呼吸抑制を低減しました。バイタルやプロポフォール使用量などの副次評価も行われ、当該領域でのオピオイドスパリング併用薬としての有用性が示唆されます。

主要発見

  • 無作為化試験(n=176)で、サブ麻酔量エスケタミン(0.15 mg/kg)+プロポフォールは、フェンタニル(1 µg/kg)+プロポフォールに比べ、呼吸抑制が有意に低率(11%対45%)であった。
  • 呼吸数、パルスオキシメトリ、循環動態、プロポフォール用量、有害事象などの副次アウトカムから、オピオイドスパリング戦略の実施可能性が示唆された。

臨床的意義

プロポフォールによる非挿管下での短時間婦人科手術では、フェンタニルの代わりに低用量エスケタミンを併用することで呼吸合併症を減らせます。導入にあたっては、循環動態や精神症状などエスケタミン特性を踏まえた用量・監視プロトコルの整備が必要です。

なぜ重要か

外来手術で頻用される実臨床シナリオに対し、オピオイドスパリング戦略により呼吸抑制を実質的に減らせることを示した実践的なRCTです。

限界

  • 特定の術式・母集団に限定された単施設の周術期研究であり、一般化可能性に制限がある
  • 盲検化や割付隠蔽の詳細が不明で、離脱・覚醒時の精神症状など安全性の包括的評価は抄録では不十分

今後の方向性

呼吸抑制の定義を標準化し、安全性・患者体験を包括的に評価する、多施設盲検RCTでのエスケタミン対オピオイド併用の比較が望まれます。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
治療
エビデンスレベル
II - 特定術式での単一ランダム化比較試験
研究デザイン
OTHER