プロポフォール誘発無意識における全脳・局所機能結合の増加:ヒト頭蓋内脳波研究
総合: 80.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 9
概要
73例の頭蓋内EEGにより、プロポフォール無意識では全脳・局所の機能結合が増加し、複雑性と効率が低下、デルタ増加と高ガンマ抑制が認められました。意識の判別には後方皮質の結合が最も有用でした。
主要発見
- プロポフォール無意識では全周波数帯で全脳機能結合が増加し、複雑性とネットワーク効率は低下した。
- デルタ増加と高ガンマ低下というスペクトル変化が認められた。
- 意識判別には後方結合が最大の寄与を示し、振幅ベースはデルタ/シータ、位相ベースはベータ〜高ガンマで主に増加した。
臨床的意義
後方ネットワーク結合とネットワーク効率低下が麻酔深度・意識モニタリングのEEG指標候補であることを示唆します。
なぜ重要か
振幅・位相ベース結合を統合的に高時空間分解能で解析し、麻酔による無意識の機序理解を前進させ、先行研究の不一致を解消します。
限界
- 対象は頭蓋内モニタリング中のてんかん患者であり一般化に限界がある
- 観察研究であり機序に関する因果推論は間接的
今後の方向性
非てんかん集団での前向き検証、麻酔深度モニターとの統合、後方ネットワークを標的とする介入的検証が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - 無作為化のない観察的頭蓋内EEG研究
- 研究デザイン
- OTHER