神経軸麻酔下の帝王切開における術中疼痛:系統的レビューとメタ解析
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8
概要
34研究(11,351例)の統合解析で、神経軸麻酔下の帝王切開における患者報告の術中疼痛は17%(95%信頼区間13–22)でした。脊髄くも膜下および脊髄くも膜下・硬膜外併用は、硬膜外追加投与(33%)より疼痛発生が少ない結果でした。約半数の研究で高いバイアスリスクが指摘され、今後の前向き研究の必要性が示されました。
主要発見
- 神経軸麻酔下の術中疼痛の統合発生率は17%(95%信頼区間13–22)。
- 脊髄くも膜下麻酔の疼痛発生率は14%(95%信頼区間10–20;662/8,002)で最も低い。
- 硬膜外追加投与の疼痛発生率は33%(95%信頼区間17–54;253/1,395)で最も高い。
- 対象研究の約半数で高いバイアスリスクが指摘された。
臨床的意義
神経軸麻酔下でも術中疼痛の非軽微なリスクを術前説明し、可能であれば脊髄くも膜下/脊髄くも膜下・硬膜外併用を硬膜外追加より優先検討します。術中の麻酔域確認と救急鎮痛プロトコルの徹底が望まれます。
なぜ重要か
産科麻酔における患者体験・安全・医療訴訟リスクに直結する合併症の実態を定量化し、麻酔法による差という実践的示唆を提供します。
限界
- 異質性が高く、約半数の研究でバイアスリスクが高い
- 個票データが乏しく、緊急性・用量・手術因子など交絡の調整が限定的
今後の方向性
予測因子・予防策・術中救済戦略を評価する前向きで標準化された患者中心の研究を推進し、患者報告体験指標や法的帰結も取り入れる。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化・非ランダム化研究を統合した系統的レビュー/メタアナリシス
- 研究デザイン
- OTHER