非心臓手術における遠隔虚血プレコンディショニングと生存:無作為化試験のメタアナリシス
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
非心臓手術の72件のRCTにおいて、RIPCは対照群に比べ死亡(RR 0.74)を低下させ、術後脳卒中や入院期間も減少した。低コストで非侵襲的な周術期臓器保護戦略としてのRIPCの有用性を支持し、大規模多施設RCTの必要性を示す。
主要発見
- 非心臓手術における72件のRCT(n=7457)を統合。
- RIPCで死亡が減少(88/2122 vs 102/1767;RR 0.74, 95%CI 0.57–0.98;P=0.03)。
- ベイズ解析で死亡低減(RR<1)の確率が高いことが示唆。
- 副次的アウトカムとして術後脳卒中の減少と入院期間の短縮を示した。
臨床的意義
高リスク非心臓手術において、臓器保護の補助手段として標準化されたRIPCプロトコルの導入を検討すべきである。確証的多施設試験の結果を待ちつつ実装可能な介入である。
なぜ重要か
非心臓手術でRIPCの生存利益を示した初の包括的メタアナリシスであり、副次的アウトカムも一貫した改善を示した。周術期の標準的介入としてRIPC導入の議論を促す。
限界
- 死亡データは72試験中28試験のみで報告されており、報告バイアスの可能性。
- RIPCプロトコルや対象手術の不均質性があり、小規模試験効果の可能性も否定できない。
今後の方向性
標準化RIPCプロトコルを用い、患者中心アウトカムと費用対効果を含む実践的多施設大規模RCTが求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 非心臓手術における無作為化比較試験のメタアナリシス。
- 研究デザイン
- OTHER