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重症新生児・小児におけるシクロヘキサノンとその代謝産物曝露

Pediatric research2025-04-06PubMed
総合: 80.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

前向き小児ICUおよび多施設新生児データにより、すべての検査対象の静脈内溶液にシクロヘキサノンが含有され、全被検体の血液・尿から検出された。尿中濃度は血漿より高く、早産児では親化合物が1日目に、代謝産物が7–14日に最大となった。医療機器・材料の代替や曝露低減策の緊急性が示唆される。

主要発見

  • 標準ICUで用いられる全ての静脈内溶液(輸液、薬剤、透析液、赤血球バッグ)からシクロヘキサノンを検出した。
  • 全ての血漿・尿サンプルでシクロヘキサノンと代謝産物を検出し、両コホートで尿中濃度が血漿より高かった。
  • 早産児では親化合物が1日目にピーク、代謝産物が7–14日にピークを示し、持続的な代謝/曝露を示唆した。

臨床的意義

不要なライン交換の削減、溶剤非使用の接合技術の優先、有害溶剤含有に関するメーカー情報公開の要請が望まれる。新生児・小児ICUではリスク・ベネフィットの共有が必要で、低曝露デバイスを重視した調達を推進すべきである。

なぜ重要か

極めて脆弱なICU集団で静脈路システム由来の溶剤曝露が広範かつ事実上不可避であることと、その時間動態を明確化した。規制・機器改良を促す可能性が高い。

限界

  • 小児ICUは単施設であり、新生児は二次解析であるため一般化可能性に制約がある。
  • 臨床転帰や長期神経発達への影響との直接的な関連付けは行っていない。

今後の方向性

溶剤非使用・低溶出デバイス技術の開発と検証、曝露量–転帰の用量反応評価、規制対応可能な多施設曝露評価を実施し標準策定に資するべきである。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予防
エビデンスレベル
II - 無作為化のない良好に設計された前向きコホートおよび多施設二次解析
研究デザイン
OTHER