大腸内視鏡の深鎮静におけるレミマゾラムとプロポフォールの呼吸への影響の比較:前向き多施設ランダム化比較試験
総合: 79.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
大腸内視鏡の深鎮静(目標OAA/S≤2)450例の多施設RCTで、レミマゾラムはプロポフォールに比べ、初回気道介入までの時間を延長し、気道介入と無呼吸の発生・持続を低減し、分時換気量を高く維持しました。鎮静の適切性は維持されました。
主要発見
- 初回気道介入までの時間はレミマゾラムで長かった(11±8分 vs 5±6分、P<0.001)。
- レミマゾラムは気道介入が少なく、無呼吸の発生率および持続時間が短かった(全てP<0.001)。
- 同等の目標鎮静(OAA/S≤2)下で、導入後1・2・4分および手技終了時の分時換気量はレミマゾラムで高値であった(全てP<0.001)。
臨床的意義
消化器内視鏡などの処置時鎮静において、同等の鎮静深度でプロポフォールより無呼吸・低換気・気道介入を減らせる可能性があり、呼吸リスクの高い患者や気道介入を避けたい状況でレミマゾラムを優先するプロトコルが検討可能です。
なぜ重要か
同等の深鎮静レベルでレミマゾラムの呼吸安全性の優位性を示し、鎮静薬選択に直結するエビデンスを提供します。
限界
- 投与薬剤のブラインド化が困難で、介入閾値に影響した可能性。
- 結果は大腸内視鏡の深鎮静に限定され、他の処置・ASA分類・オピオイド併用への一般化には検証が必要。
今後の方向性
より広い処置領域とリスク層での検証、費用対効果と回復プロファイルの評価、レミマゾラム下での気道管理閾値のプロトコル化の検討が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 多施設ランダム化比較試験で事前定義のアウトカムを用いた最上位のエビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER