肝切除後肝不全予防のための門脈血流調整:脾動脈結紮の無作為化比較試験
総合: 77.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 6
概要
門脈圧>15 mmHgの肝切除患者において、脾動脈結紮は門脈圧を低下させ、無作為化試験でPHLFグレードB/C(16.7%対66.7%)、腹水負担、包括的合併症指標を有意に減少させ、利益により早期終了となりました。
主要発見
- 門脈圧>15 mmHgの患者で、PHLFグレードB/Cは66.7%から16.7%へ低下(P=0.006)。
- 対照群および結紮前と比較して、門脈圧とPVP–CVP勾配が有意に低下。
- 結紮群で包括的合併症指標が低く(8.70対20.90)、腹水量も減少。
臨床的意義
術中の門脈圧高値症例では、門脈流入を調整しPHLFを低減する目的で脾動脈結紮を考慮すべきです。圧モニタリングと症例選択のチームプロトコル整備が必要です。
なぜ重要か
高リスク患者に対し、手術中の生理学的標的介入である脾動脈結紮がPHLFを有意に減少させることを示し、即時性の高い臨床応用可能性を示します。
限界
- 単施設・早期終了・小規模の無作為化群であり、効果推定が過大となる可能性。
- 開腹肝切除かつ門脈圧高値と測定された患者に限定され、一般化に限界。
今後の方向性
標準化した門脈圧モニタリングを用いた多施設RCT、長期転帰の評価、他の流入調整戦略との統合検討が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療/予防
- エビデンスレベル
- I - 定義された高リスク集団における単施設無作為化比較試験。
- 研究デザイン
- OTHER