周術期の高FiO2対低FiO2が入院期間と術後合併症に及ぼす影響:系統的レビュー、メタアナリシス、および試験逐次解析
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
31件のRCT(10,506例)を対象に、高FiO2は入院期間、術後臓器合併症、SSI、死亡に影響を与えませんでした。試験逐次解析により主要評価項目の情報量は十分と判定され、感度分析では高FiO2で術後無気肺が増加する可能性が示されました。
主要発見
- 入院期間は高FiO2と低FiO2で差なし(平均差 -0.01日、95%CI -0.10〜0.08)。
- 術後の心・脳・腎・肺合併症、SSI、死亡に有意差なし。
- 試験逐次解析で主要評価項目の証拠は十分と判定;感度分析で高FiO2は術後無気肺を増やす可能性。
臨床的意義
SSI予防目的の高FiO2の常用は再考すべきであり、平常酸素化を目標とした個別化酸素投与と無気肺への注意が望まれます。
なぜ重要か
多様な手術領域において高FiO2の臨床的利益が示されず、無気肺増加の兆候が示されたことは、ガイドライン推奨に再検討を促す重要な知見です(メタアナリシスとTSAにより堅牢)。
限界
- FiO2の設定や投与タイミングに試験間異質性があり、サブグループ効果が希釈された可能性。
- 無気肺のシグナルは一部試験除外の感度分析に依存。
今後の方向性
個票メタアナリシスや、標準化した肺保護戦略下で平常酸素化目標対寛容酸素投与を比較するRCTにより、無気肺リスクと利益・不利益のバランスを明確化する必要があります。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 予防/治療
- エビデンスレベル
- I - 無作為化比較試験のメタアナリシス(試験逐次解析を含む)。
- 研究デザイン
- OTHER