集中治療入室後の機能回復に対する高用量対標準用量たんぱく質投与の影響:PRECISe試験の事前計画ベイズ解析
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
PRECISe無作為化試験(n=935)の事前計画ベイズ再解析では、2.0 g/kg/日の蛋白目標はEQ-5D-5L改善の後方確率0%、60日死亡の有益性は8%にとどまり、臨床的に重要な有害性(絶対リスク差>5%)の後方確率は47%であった。結果は複数の事前分布に対して堅牢であった。
主要発見
- 高蛋白のEQ-5D-5L改善の後方確率は0%であった。
- 60日死亡に関して、高蛋白のいかなる有益性の確率は8%、臨床的に重要な有害性(絶対リスク差>5%)の確率は47%であった。
- 異なる事前分布を用いた感度解析でも結果は一貫していた。
臨床的意義
ICU早期に高蛋白(2.0 g/kg/日)を常用しない。標準量(約1.3 g/kg/日)を基本に代謝状態や耐容性に応じて個別化する。多職種栄養チームで潜在的有害性を共有すべきである。
なぜ重要か
本解析はICU栄養における高蛋白戦略を有害確率の定量で問い直し、頻度論の非有意を超える実践的根拠を提供する。標準量への目標設定に影響し得る。
限界
- 二次解析であり、元試験は頻度論枠組みで全機能的転帰に十分な検出力を持たない
- 包括的感度解析を行ったが、事前分布の仮定に一定の影響を受け得る
今後の方向性
表現型(サルコペニアや急性腎障害など)と時期に応じた個別蛋白目標を、ベイズ意思決定則と患者中心アウトカムで検証する前向き適応試験が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 無作為化比較試験データに対する事前計画ベイズ解析
- 研究デザイン
- OTHER