術中赤血球輸血を予測するリスクモデルの開発と検証
総合: 78.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
2医療圏・816,618例を用いたTRANSFUSEモデルは、24の術前変数で術中pRBC輸血をAUC 0.93で予測し、既存スコアを上回った。内部・外部妥当化で汎用性が確認され、高リスク手術では予測値がさらに向上した。
主要発見
- 816,618例で学習・検証し、AUC 0.93(95%CI 0.92–0.93)を達成。
- ASA、INR、再手術・救急・時間≥120分、術式の複雑性、貧血、肝疾患、血小板減少、術式など24の術前因子を採用。
- 既存TRUST(AUC 0.64)を上回り、3つの機械学習スコアと同等以上。全体のNPVは99.7%。
臨床的意義
術前ワークフローにTRANSFUSEを組み込み、高リスク手術での交差適合単位数を適正化する。電子カルテの意思決定支援や患者血液管理(PBM)プロトコルに連携させ、未使用血の削減を図る。
なぜ重要か
外部妥当化済みの大規模ツールであり、術前の血液準備と無駄削減に直結し、麻酔科・外科の患者血液管理を実装段階で変える可能性が高い。
限界
- ベースレートが低くPPVは8.9%と控えめで、施設や症例構成によりキャリブレーションの差異が生じ得る。
- 観察レジストリ研究のため、未測定交絡やコーディングばらつきの影響が否定できない。
今後の方向性
前向き介入での血液節減・有害事象低減・費用対効果の検証、施設間キャリブレーションと移植性の評価、EHR統合のユーザー中心設計検討。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 大規模コホートでの内外部妥当化を経た後ろ向き予後モデル開発。
- 研究デザイン
- OTHER