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胸部外科手術の一側肺換気中における高PEEP対低PEEPの術後肺合併症への影響(PROTHOR):多施設国際無作為化比較第3相試験

The Lancet. Respiratory medicine2025-11-16PubMed
総合: 84.0革新性: 7インパクト: 0厳密性: 0引用可能性: 0

概要

28カ国2200例の第3相RCTでは、一側肺換気中の高PEEP+リクルートメント手技は、低PEEP(リクルートメントなし)と比べ術後肺合併症を減少させませんでした。高PEEP群では術中低血圧と新規不整脈が増加し、低PEEP群では低酸素救済手技が多く実施されました。

主要発見

  • 主要評価項目(術後肺合併症)は同等:高PEEP 53.6% vs 低PEEP 56.4%、絶対差−2.68%ポイント(95%CI −6.36~1.01)、p=0.155。
  • 高PEEP群で術中合併症が増加:低血圧 37.3% vs 14.3%、新規不整脈 9.9% vs 3.9%。
  • 低PEEP群で低酸素救済手技がより多く実施(8.8% vs 3.3%)。
  • 群間で術後の肺外合併症や有害事象総数に差は認められなかった。

臨床的意義

BMI<35 kg/m2の一側肺換気では高PEEP+リクルートメントの常用を避け、低PEEP(許容無気肺)を基本とし、酸素化と血行動態のバランスをとる個別化救済戦略を採用すべきです。

なぜ重要か

高PEEP+リクルートメントの常用に対して臨床的利益がなく、術中循環動態の不安定性が増すことを示し、世界的な換気戦略の見直しに資する決定的試験です。

限界

  • BMI≥35 kg/m2の患者が除外されており、重度肥満症例への一般化に限界がある。
  • 術中換気戦略の盲検化は現実的でなく、パフォーマンスバイアスの可能性がある。

今後の方向性

個別化PEEPチューニングや代替の肺保護戦略を、肥満や肺機能低下などのサブグループで検証し、長期の肺機能アウトカムも評価する必要があります。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 多施設大規模のランダム化比較試験で、臨床的に重要なアウトカムを評価している。
研究デザイン
OTHER