肺炎および急性呼吸窮迫症候群における全身性コルチコステロイド、死亡率、感染症:システマティックレビューとメタアナリシス
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
20件のRCT(n=3,459)の統合解析では、全身性コルチコステロイド併用は重症肺炎(RR 0.73)およびARDSで短期死亡率を低下させ、重症肺炎で二次性ショックを減少させ得る一方、院内感染はほとんど増加しない可能性が示された。肺炎重症度分類の不均一性がサブグループ精度を制限している。
主要発見
- 20件のRCT(n=3,459:重症肺炎15件、ARDS 5件)が対象。
- 低用量・短期間のコルチコステロイドは重症肺炎で短期死亡率を低下(RR 0.73、95% CI 0.57–0.93)。
- 重症肺炎において二次性ショックの減少が示唆。
- 重症肺炎およびARDSを通じ、院内感染への影響は小さいかほぼ無い。
臨床的意義
重症肺炎およびARDSでは、低用量・短期間の全身性コルチコステロイド併用を短期死亡率低下(および二次性ショック減少)の目的で検討できる。感染症監視は必要だが、院内感染リスク増加は小さい可能性が高い。
なぜ重要か
非COVID重症肺炎・ARDSにおけるステロイド使用という長年の論争に高水準エビデンスで回答し、ガイドラインおよびICU実践に直結する。
限界
- 重症度分類や用量レジメンの不均一性がサブグループ解析を制限。
- ARDSの試験数が比較的少なく、ARDS特異的効果の精度が限定的。
今後の方向性
ARDSにおける重症度定義と用量・期間を標準化した前向き大規模RCT、病因や感染リスクでの層別化を伴う検証が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験のシステマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究デザイン
- OTHER