フレイル高齢手術患者に対する在宅型プレハビリテーション:多施設ランダム化臨床試験
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
フレイル高齢者に対する在宅型プレハビリテーションは、30日後の障害や入院中合併症を通常診療と比べて低減しませんでした。運動遵守率が75%を超えた患者では障害軽減がみられたものの、合併症は減少しませんでした。主な遵守障壁は優先順位の競合と動機付けでした。
主要発見
- 術後30日の障害に有意差なし(調整平均差−1.4;97.5%CI −4.9~2.0;P=0.36)
- 入院中合併症の減少なし(調整OR 1.05;97.5%CI 0.73–1.49;P=0.78)
- 運動遵守>75%で障害は低下(差−4.9)も、合併症に差はなし
臨床的意義
フレイル高齢者に在宅プレハビリを一律に適用しても有益とは限らず、遵守向上策や効果が見込める患者の選別が重要です。行動変容支援やモニタリングの導入を検討すべきです。
なぜ重要か
実臨床下の多施設RCTとして、フレイル高齢者に対するプレハビリテーションの「万能性」を否定し、遵守支援や対象選定の重要性に焦点を当てるエビデンスを提供します。
限界
- 参加者の盲検化は部分的で、手術の不均質性が大きい
- 遵守のばらつきにより効果が希釈された可能性、COVID-19期の実施上の制約も影響しうる
今後の方向性
行動支援・遠隔モニタリング・用量調整を組み合わせた遵守最適化型・対象選択型プレハビリを開発し、生理学的欠損の明確な集団で機能的評価項目を用いて検証すべきです。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 実用的多施設ランダム化臨床試験で盲検評価を実施
- 研究デザイン
- OTHER