サッカード課題:高齢人工関節置換患者における術後せん妄予測のための非侵襲的アプローチ
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8
概要
高齢人工関節置換316例で、術前サッカード指標が術後せん妄をロジスティックでAUROC 0.81、MLPで0.89と高精度に予測し、MMSE/MoCAや血清NfLを上回った。5つのサッカード指標で群間差が認められた。
主要発見
- 高齢人工関節置換患者におけるPOD発生率は8.2%(26/316)であった。
- 5つのサッカード指標でPOD群と非POD群の間に有意差が認められた。
- サッカードに基づくモデルはMMSE/MoCAや血清NfLを上回り、AUROCはロジスティック0.81、MLP0.89であった。
臨床的意義
サッカード検査を術前評価に組み込み、高リスク患者を同定して多面的非薬物療法などの予防策を強化できる可能性がある。外部検証と臨床ワークフローへの統合が今後の課題。
なぜ重要か
高齢者で重要な合併症である術後せん妄に対し、予防介入のターゲティングを可能にする実用的・非侵襲の行動バイオマーカーを提示した点が意義深い。
限界
- 対象が人工関節手術に限定され、単施設の可能性が高く、一般化可能性に限界がある。
- 外部検証がなく過学習の懸念がある。麻酔法や周術期因子の影響評価が必要。
今後の方向性
多施設外部検証、実用的なスクリーニング閾値の設定、多変量リスクモデルとの統合、予防アウトカムへの影響評価が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - あらかじめ定義したアウトカムと標準化されたせん妄評価を用いた前向きコホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER