可撓性気管支鏡検査における声門下ジェット換気と声門上ジェット換気の比較:無作為化比較試験
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
鎮静下の気管支鏡検査患者352例で,声門下ジェット換気は声門上に比して低酸素および重度低酸素を有意に低減し,救助手技の頻度も減少,胃膨満は発生しませんでした。その他の安全性は概ね同等でした。
主要発見
- 低酸素発生率は声門下で16.6%から6.0%に低下(RR 0.364, 95%CI 0.18–0.72;P=0.002)。
- 重度低酸素も減少(3.0% vs 8.6%;RR 0.351, 95%CI 0.12–0.95;P=0.030)。
- 救助手技が少ない:顎先挙上(4.8% vs 12.9%),マスク換気(2.4% vs 7.4%)。
- 胃膨満は声門下でゼロ,声門上では31件(P<0.001)。
臨床的意義
中等度〜深鎮静下の気管支鏡検査では,専用イントロデューサを用いた声門下ジェット換気を第一選択とし,低酸素と胃膨満の抑制を図るべきです。救助手技の要件も軽減できます。
なぜ重要か
可撓性気管支鏡検査における一般的な不安定化要因である低酸素に対し,より有効な酸素化戦略を明確化する実践的RCTであり,即時的な実践変更を後押しします。
限界
- 単施設研究であり一般化可能性に限界。
- 特定デバイス(SEEK)・手順に依存し,外部適用に影響し得る。
今後の方向性
多施設試験により適応や鎮静戦略をまたいだ有効性を検証し,二酸化炭素排出や長期安全性の評価を進める必要があります。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 主要臨床評価項目で優越性を示した大規模ランダム化比較試験。
- 研究デザイン
- OTHER