処理脳波(p-EEG)ガイド麻酔の術後せん妄への影響:最新の系統的レビューとメタ解析
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
12件のRCT(n=4523)で、p-EEGガイド麻酔は術後せん妄を減少(RR 0.81)し、高齢者と非心臓手術で効果が大きかった。術後認知障害、在院日数、昇圧薬使用も減少したが、死亡率差はなかった。地域差が認められた。
主要発見
- p-EEGガイド麻酔は標準ケアより術後せん妄を減少(RR 0.81、95%CI 0.69–0.95、I2=46%)。
- 高齢者(RR 0.83)と非心臓手術(RR 0.78)で効果が大きい。
- 術後認知障害(RR 0.66)、在院日数(−0.90日)、昇圧薬使用(RR 0.73)も低減。死亡率差はなし。
臨床的意義
高リスク患者(高齢者、非心臓手術)でp-EEGを活用し、過度な抑制や深麻酔を回避する。機器・プロトコルの標準化と地域の実践差への配慮が重要。
なぜ重要か
EEGガイドの麻酔深度管理がせん妄と関連合併症を低減する統合エビデンスを示し、周術期プロトコルや質指標の策定に資する。
限界
- 機器・プロトコル・地域間の不均質性が大きい(I2最大46%)
- 北米で効果が乏しく一般化に限界、死亡率は不変
今後の方向性
EEG目標値(バースト抑制閾値等)の標準化、機器・プロトコルの調和、せん妄予防バンドルを組み込んだ実装試験が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験のメタアナリシス(評価項目を事前規定)
- 研究デザイン
- OTHER