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マウスにおける青斑核-視床傍室核-前帯状皮質経路による疼痛感受性の調節

Anesthesiology2025-12-11PubMed
総合: 77.5革新性: 9インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8

概要

Fos-TRAP、ウイルストレーシング、オプト/ケモジェネティクスを用い、直接LC–ACC投射よりも痛覚感作に強く関与する階層的LC–PVA–ACC視床皮質リレーを同定しました。この回路の活性化はACC発火や触刺激応答を増強し、機械・温熱感受性をより強力に調節しました。

主要発見

  • 単シナプスLC–ACCと多シナプスLC–PVA–ACC回路を同定し、疼痛関連LCニューロンはPVAへ優先的に投射。
  • 炎症性疼痛下でLC–PVA–ACC活性化は、直接LC–ACCよりACC発火・触刺激応答を高めた(P<0.001)。
  • LC–PVA–ACCのオプト/ケモジェネティクス操作は、LC–ACCより機械・温熱痛感受性を強く調節した。

臨床的意義

前臨床段階ながら、LC–PVA–ACC回路は視床皮質ノルアドレナリンシグナルの選択的神経調節や薬理学的介入による痛覚過敏・慢性疼痛治療の可能性を示します。

なぜ重要か

痛覚感作を担う特異的ノルアドレナリン性視床皮質リレーの解明は、脊髄や古典的神経伝達を超えた次世代鎮痛標的を提示します。

限界

  • 動物研究でありヒトへの翻訳性は未検証
  • 炎症性痛に焦点を当てており、神経障害性疼痛などへの一般化には検証が必要

今後の方向性

LC–PVA–ACCリレーの分子機構の解明、翻訳モデルでの標的神経調節/薬理の検証、ヒトでの視床皮質ノルアドレナリン活動のバイオマーカー検証が求められます。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
III - 生体内回路操作と行動解析を伴う管理された前臨床機序研究
研究デザイン
OTHER