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LIN28A依存性lncRNA NEAT1はRNAメチル化を介したACE2 mRNAの不安定化によって敗血症誘発性急性呼吸窮迫症候群を増悪させる

Journal of translational medicine2025-01-07PubMed
総合: 76.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 6

概要

lncRNA NEAT1は、LPS刺激AT-II細胞でNEAT1–hnRNPA2B1–ACE2複合体のRNAメチル化を介してACE2 mRNAの安定性を低下させ、敗血症誘発性ARDSの肺傷害を増悪させる。LIN28AとIGF2BP3がNEAT1安定性を動的に調節し、RNAメチル化経路の治療標的を提示する。

主要発見

  • NEAT1は敗血症誘発性ARDSモデルにおいてACE2発現を抑制し肺傷害を増悪させた(in vitro/in vivo)
  • NEAT1はhnRNPA2B1とRNAメチル化に依存してACE2 mRNA安定性を低下させ、NEAT1/hnRNPA2B1/ACE2複合体を形成した
  • LIN28AはNEAT1を安定化し、IGF2BP3はLIN28A–NEAT1結合を阻害、hnRNPA2B1はこの制御軸を調節した

臨床的意義

NEAT1やhnRNPA2B1相互作用、メチル化機構を標的としてACE2を保護し肺傷害を軽減する治療が期待される。本経路に基づくバイオマーカーは敗血症性ARDSの層別化に有用となりうる。

なぜ重要か

本研究は、lncRNA、RNAメチル化、ACE2制御を結ぶ機序的軸を明らかにし、核酸医薬やエピトランスクリプトーム標的治療の開発に道を拓く。

限界

  • LPSマウスモデルはヒト敗血症性ARDSの不均一性を十分に再現しない可能性がある
  • ヒト組織での検証や治療介入試験が未実施である

今後の方向性

ヒトARDS検体でNEAT1–hnRNPA2B1–ACE2軸を検証し、RNA標的治療やエピトランスクリプトーム介入を前臨床モデルで評価する必要がある。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 臨床アウトカムを伴わない前臨床の機序研究
研究デザイン
OTHER