COVID-19急性呼吸窮迫症候群における抜管失敗に対する心筋・炎症バイオマーカーの予後的役割
総合: 61.5革新性: 6インパクト: 6厳密性: 6引用可能性: 7
概要
C-ARDSの抜管患者297例中、21.5%が抜管失敗した。抜管当日のHs‑TnT、NT‑proBNP、PCTはいずれも単変量で関連したが、年齢・換気日数・SOFA調整後はHs‑TnTのみが独立関連(調整OR 1.38、95%CI 1.02–1.90)を示した。Hs‑TnTとPCTがともに高値の場合、失敗率は46%で、両者正常では13%であった。
主要発見
- C‑ARDS患者297例のうち21.5%で抜管失敗が発生した。
- 抜管当日の単変量解析で、Hs‑TnT(OR 1.72)、NT‑proBNP(OR 1.24)、PCT(OR 1.38)が失敗と関連した。
- 多変量調整後はHs‑TnTのみが独立関連(調整OR 1.38、95%CI 1.02–1.90)。Hs‑TnT(≥14 ng/mL)とPCT(≥0.25 ng/mL)の両者高値では失敗率46%、両者正常では13%。
臨床的意義
C‑ARDSの抜管準備評価にHs‑TnTを臨床指標と併用して組み込み、高値(PCT高値併存時は特に)では強化モニタリングや最適化、抜管延期を検討すべきである。
なぜ重要か
容易に測定可能な心筋バイオマーカー(Hs‑TnT)がC‑ARDSの抜管リスクを独立して層別化できることを示し、客観的な離脱判断に資する。
限界
- 単施設の後ろ向き研究であり、一般化可能性と因果推論に限界がある。
- 対象がC‑ARDSに限定されており、非COVID ARDSへの外的妥当性は検証が必要。
今後の方向性
多施設前向き検証を行い、Hs‑TnTを臨床指標や離脱生理学的テストと統合した多変量リスクモデルの構築、バイオマーカー介入型抜管戦略の検証が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 多変量調整を伴う後ろ向きコホート研究
- 研究デザイン
- OTHER