重症COVID-19患者における血漿レニン–アンジオテンシン–アルドステロン系活性化と予後:前向き探索研究
総合: 64.0革新性: 6インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 6
概要
COVID-19患者94例において、早期の血漿RAS指標が転帰を予測した。AA2Rは60日生存を予測(AUROC 0.73)、Ang IIと活性型ACE2は生存と逆相関、Ang 1-7は良好転帰と関連した。RAS代謝物は重症度(SOFA)や呼吸力学の時間的推移とも関連した。
主要発見
- 入院時のAA2RはICU患者の60日生存を予測した(AUROC 0.73)。
- Ang IIと活性型ACE2は生存と逆相関し、Ang 1-7は良好転帰を予測した(OR 6.8;95% CI 1.5–39.9)。
- ICU患者は入院時、病棟患者に比べAng代謝物、PRA-S、ALT-S、活性型ACE2が高く、ACE-SとAA2Rが低かった。
- 7日間でAng I–IVは低下し、ACEとACE2は上昇。Ang I、PRA-S、Ang 1-7、Ang 1-5はSOFAおよび7日目のドライビングプレッシャーと相関した。
臨床的意義
AA2RやAng 1-7の早期測定はICU COVID-19でのリスク層別化とモニタリングの改善に資する可能性がある。RAS介入の評価を後押しするが、現時点で治療方針変更を直接支持するものではない。
なぜ重要か
前向きLC–MS/MS表現型解析により、特定のRAS軸が生存に関連することを示し、重症ウイルス性ARDSでの精密予後評価やRAS介入の仮説形成を支える。
限界
- 探索的単施設研究でサンプルサイズが中等度に限られる。
- COVID-19に限定されたコホートであり、非COVID-19 ARDSへの一般化は未検証。
今後の方向性
外部バリデーションと多変量予後モデルへの統合、RAS軸修飾が転帰を変えるか検証する介入研究。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - バイオマーカーによる予後評価を伴う前向き観察コホート研究
- 研究デザイン
- OTHER