メインコンテンツへスキップ

重症COVID-19患者における血漿レニン–アンジオテンシン–アルドステロン系活性化と予後:前向き探索研究

Annals of intensive care2025-01-17PubMed
総合: 64.0革新性: 6インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 6

概要

COVID-19患者94例において、早期の血漿RAS指標が転帰を予測した。AA2Rは60日生存を予測(AUROC 0.73)、Ang IIと活性型ACE2は生存と逆相関、Ang 1-7は良好転帰と関連した。RAS代謝物は重症度(SOFA)や呼吸力学の時間的推移とも関連した。

主要発見

  • 入院時のAA2RはICU患者の60日生存を予測した(AUROC 0.73)。
  • Ang IIと活性型ACE2は生存と逆相関し、Ang 1-7は良好転帰を予測した(OR 6.8;95% CI 1.5–39.9)。
  • ICU患者は入院時、病棟患者に比べAng代謝物、PRA-S、ALT-S、活性型ACE2が高く、ACE-SとAA2Rが低かった。
  • 7日間でAng I–IVは低下し、ACEとACE2は上昇。Ang I、PRA-S、Ang 1-7、Ang 1-5はSOFAおよび7日目のドライビングプレッシャーと相関した。

臨床的意義

AA2RやAng 1-7の早期測定はICU COVID-19でのリスク層別化とモニタリングの改善に資する可能性がある。RAS介入の評価を後押しするが、現時点で治療方針変更を直接支持するものではない。

なぜ重要か

前向きLC–MS/MS表現型解析により、特定のRAS軸が生存に関連することを示し、重症ウイルス性ARDSでの精密予後評価やRAS介入の仮説形成を支える。

限界

  • 探索的単施設研究でサンプルサイズが中等度に限られる。
  • COVID-19に限定されたコホートであり、非COVID-19 ARDSへの一般化は未検証。

今後の方向性

外部バリデーションと多変量予後モデルへの統合、RAS軸修飾が転帰を変えるか検証する介入研究。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
II - バイオマーカーによる予後評価を伴う前向き観察コホート研究
研究デザイン
OTHER