片肺換気における肺コンプライアンスに基づく個別化PEEP設定:メタ解析
総合: 76.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 6
概要
10件のRCT(n=3426)の統合解析で、片肺換気中の肺コンプライアンスに基づく個別化PEEPは固定PEEPより術後肺合併症を減少(RR 0.55)させた。動的コンプライアンスと段階的減少法で効果が最も強く、呼吸力学・酸素化が改善し、血行動態への悪影響はなかった。
主要発見
- 10件のRCTメタ解析(n=3426)により、個別化PEEPで術後肺合併症複合アウトカムが減少(RR 0.55, 95% CI 0.38–0.78)した。
- 肺炎(RR 0.71)・無気肺(RR 0.63)が減少し、血行動態に差はなく、呼吸力学と酸素化が改善した。
- 効果は、駆動圧/静的コンプライアンスや段階的増加法よりも、動的コンプライアンスに基づく段階的減少法で顕著であった。
臨床的意義
胸部麻酔の片肺換気では、固定PEEPではなく動的コンプライアンスに基づく段階的減少法でPEEPを個別化することで、肺炎・無気肺を減少させ酸素化を改善できる可能性が高い。
なぜ重要か
周術期換気の最適化に資する高水準エビデンスを提供し、動的コンプライアンスに基づく段階的減少法でのPEEP設定が肺合併症予防に有利であることを示す。
限界
- PEEP設定法や術後肺合併症の定義に不均一性がある
- 換気戦略試験では盲検化が困難で、出版バイアスの可能性もある
今後の方向性
動的コンプライアンス測定および段階的減少プロトコルの標準化を進め、実装戦略と患者中心アウトカムを実地試験で検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 周術期換気戦略に関する無作為化比較試験のメタアナリシス。
- 研究デザイン
- OTHER