LPS誘発急性肺障害に対するヘキサヒスチジン-金属アセンブリ封入FGF21
European journal of pharmaceutics and biopharmaceutics : official journal of Arbeitsgemeinschaft fur Pharmazeutische Verfahrenstechnik e.V•2025-01-28•PubMed
総合: 69.0革新性: 8インパクト: 6厳密性: 6引用可能性: 8
概要
pH応答性のヘキサヒスチジン-金属アセンブリでFGF21を封入し、高い封入効率と安定性を実現。LPS誘発ALIで自由型FGF21より優れ、肺の浮腫(湿乾重量比)、BALFタンパクおよび細胞数を低減し、気道投与・静脈投与の双方で効果を示した。ARDS/ALIにおけるFGF21の橋渡し上の課題に対応するプラットフォームである。
主要発見
- HmA@FGF21は封入効率>90%、薬物含量>35%、粒径約130 nm、PDI約0.28、ゼータ電位+24 mVを達成。
- LPS誘発ALIにおいて、HmA@FGF21は自由型FGF21に比べ肺湿乾重量比、BALF総タンパク、総細胞数を低減。
- 気道投与・静脈投与の両経路で治療効果を確認。
臨床的意義
前臨床段階であり直ちに実臨床は変わらない。安全性と有効性が臨床で再現されれば、標的化FGF21送達はALI/ARDSの補助的治療となり得る。
なぜ重要か
複数投与経路で有望な生物製剤FGF21の効果を高める汎用的肺送達プラットフォームを提示し、ARDS治療のトランスレーションを促進し得る。
限界
- 前臨床のLPSモデルに限定され、感染性や人工呼吸関連ARDSモデルでの検証がない。
- 薬物動態、免疫原性、長期安全性に関するデータが不足。
今後の方向性
感染性および人工呼吸誘発ARDSモデルでの評価、PK・毒性試験、用量最適化、製造スケール化と実装可能性の検討が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- V - 治療群と対照群を比較する前臨床動物実験であり、人データはない。
- 研究デザイン
- OTHER