COVID-19関連ARDSと非COVID-19由来ARDSにおける換気指標とCT所見:前向き観察コホート研究
総合: 68.5革新性: 7インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 7
概要
前向きコホート(n=222)では、発症後1~7日の期間に非COVID-19由来ARDSで機械的パワー、換気比、ピーク吸気圧、動的駆動圧、CT重症度がCOVID-19関連ARDSより高かった。死亡予測因子はCOVID-19群でSOFA、非COVID-19群でBMI、免疫不全、SOFA、MP/PBW、CT総重症度が独立関連した。
主要発見
- 非COVID-19由来ARDSでは発症1~7日に機械的パワー、換気比、ピーク吸気圧、動的駆動圧が高く、動的コンプライアンスは低かった。
- CTの各葉重症度スコアおよび総重症度スコアは非COVID-19群で有意に高値であった。
- 死亡予測因子は群で異なり、COVID-19群ではSOFA、非COVID-19群ではBMI、免疫不全、SOFA、MP/PBW、CT総重症度が独立関連した。
臨床的意義
ARDS(急性呼吸窮迫症候群)のサブタイプごとに換気設定の調整が必要となり得る。非COVID-19由来では駆動圧や機械的パワーの厳格管理を検討し、CT重症度をリスク層別化に活用する。SOFAや機械指標の継時的モニタリングが有用である。
なぜ重要か
発症早期にCOVID-19関連と非COVID-19由来ARDSで機械・画像表現型が異なることを示し、表現型に応じた換気設定とリスク層別化を後押しする。
限界
- 単一国でのコホートであり、パンデミック前後の登録期間が異なる
- 観察研究であるため因果推論に限界があり、残余交絡の可能性を否定できない
今後の方向性
表現型に基づく換気戦略を介入試験で検証し、CTと力学指標に基づくリスクモデルを多施設で外部検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - レベルII:生理学的・画像指標の繰り返し評価を伴う前向き観察コホート
- 研究デザイン
- OTHER