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COVID-19患者肺におけるカスパーゼ-1の活性化、IL-1/IL-6シグネチャーおよびIFNγ誘導性ケモカイン

Frontiers in immunology2025-01-30PubMed
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8

概要

剖検肺、BALF、血清を用いて、ステロイド治療下のC-ARDS肺でカスパーゼ-1活性化と主要なIL-1β/IL-6シグネチャー、さらにIFNγ誘導性ケモカインの上昇を示した。IL-1βはBALFに偏在し、循環IL-6およびIL-1Raは重症度と関連した一方、TNFα/TNFR1/CXCL8はNC-ARDSで高値であった。

主要発見

  • C-ARDS剖検肺では、血管病変を伴うびまん性肺胞障害と活性化カスパーゼ-1が併存した。
  • ステロイド治療下C-ARDSのBALFでIL-1β、IL-1Ra、IL-6およびIFNγ/CXCL10が高値で、IL-1βはBALFに集中していた。
  • 循環IL-6とIL-1Raは重症度と関連し、TNFα、TNFR1、CXCL8はC-ARDSよりNC-ARDSで有意に高かった。

臨床的意義

IL-1/カスパーゼ-1およびIL-6軸の阻害薬の検討を支持し、IL-1βが肺内に偏在するためBALFなど肺区画の評価の重要性を示す。ステロイド単独ではインフラマソーム駆動の障害を十分抑えられない可能性がある。

なぜ重要か

ARDSにおける肺区画のサイトカイン生物学を明確化し、ステロイド下でも活性なインフラマソーム/IL-1およびIL-6経路、NC-ARDSとの差異を示した。バイオマーカー戦略と治療標的化に資する。

限界

  • BALFのコホート規模が比較的小さく(19対19)、横断的である
  • ステロイド治療がサイトカイン値に交絡し得ること、介入評価がない

今後の方向性

肺区画バイオマーカーによる層別化を組み込んだ前向き縦断サンプリングと、ARDS(COVID/非COVID)におけるIL-1/カスパーゼ-1またはIL-6阻害の臨床試験が望まれる。

研究情報

研究タイプ
症例対照研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
III - BALF/血清のサイトカイン比較を主体とし、剖検病理所見を補助とする症例対照研究
研究デザイン
OTHER