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液滴マイクロ流体スクリーニングによるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の触媒活性工学

Journal of biological engineering2025-02-04PubMed
総合: 79.0革新性: 9インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 9

概要

遊離アミノ酸放出を検出する液滴マイクロ流体プラットフォームにより、ネイティブ基質上でペプチダーゼをスクリーニングし、高活性ACE2変異体を発見した。K187T変異は触媒効率を約4倍に高め、ARDSや感染症治療に向けたACE2工学の道筋を示した。

主要発見

  • ネイティブ基質切断を遊離アミノ酸放出で定量化する液滴マイクロ流体アッセイを開発した。
  • ACE2の活性ホットスポットとして187位を同定し、K187T変異で触媒効率が約4倍に向上した。
  • 治療用ペプチダーゼ工学に適したスケーラブルで実用的なプラットフォームを実証した。

臨床的意義

触媒効率を高めたACE2は、ARDSやウイルス性肺疾患でレニン・アンジオテンシン系の再均衡を図る治療の改善に資する可能性がある。本プラットフォームは他のペプチダーゼにも汎用可能で、創薬開発を加速し得る。

なぜ重要か

代替基質のアーティファクトを回避する実用的な超高スループット手法を提示し、ACE2など治療用酵素の工学に直結する。

限界

  • 前臨床の工学研究であり、改変ACE2のin vivo有効性・安全性データは未提示。
  • 特定基質での活性向上が全ての生理的標的に一般化するとは限らない。

今後の方向性

改変ACE2のARDS/ウイルス感染モデルでの評価、安定性・特異性・デリバリー最適化を進め、他の治療用ペプチダーゼへ応用を拡大する。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
治療
エビデンスレベル
IV - 臨床試験を伴わない実験的工学・スクリーニング研究。
研究デザイン
OTHER