COVID-19関連急性呼吸窮迫症候群における呼気終末陽圧(PEEP)の設定:システマティックレビュー
総合: 69.5革新性: 6インパクト: 6厳密性: 8引用可能性: 7
概要
本システマティックレビュー(PROSPERO登録: CRD42021260303)は16,026件をスクリーニングし、119件を精査、12件の観察研究を包含しました。高PEEPと低PEEP、標準表による設定と個別化滴定の優越性は示されず、推奨作成に十分な証拠は得られませんでした。著者らは、ARDSの表現型や病期をまたぐ個別化・生理学指向のPEEPを検証するプラットフォーム試験の実施を提言しています。
主要発見
- 16,026件をスクリーニングし、119件を精査、COVID-19関連ARDSのPEEPに関する観察研究12件を包含。
- 高PEEP・低PEEP、標準化・個別化PEEP滴定の優越性は結論づけられなかった。
- ARDSの表現型・重症度・病期を横断する生理学指向の個別化PEEPを検証するプラットフォーム試験の必要性を提唱。
臨床的意義
COVID-19関連ARDSにおいて高・低PEEP表に硬直的に依拠せず、リクルータビリティ評価などベッドサイド生理学を統合すべきです。個別化滴定を検証するプラットフォーム試験への登録を優先してください。
なぜ重要か
現行エビデンスの限界を明確化し、画一的プロトコルよりも生理学に基づく個別化PEEP研究へと方向性を示したため重要です。
限界
- 観察研究のみでメタアナリシスが困難なほど不均質性が高い
- COVID-19関連ARDSに限定された知見で非COVID ARDS表現型への一般化に限界
今後の方向性
リクルータビリティや肺力学を取り入れた個別化PEEPのプラットフォームRCTを実施し、多様なARDS病因および病期を包含すること。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 観察研究を対象としたシステマティックレビュー(メタ解析なし)。中等度の質のエビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER