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COVID-19関連急性呼吸窮迫症候群における呼気終末陽圧(PEEP)の設定:システマティックレビュー

European journal of anaesthesiology and intensive care2025-02-07PubMed
総合: 69.5革新性: 6インパクト: 6厳密性: 8引用可能性: 7

概要

本システマティックレビュー(PROSPERO登録: CRD42021260303)は16,026件をスクリーニングし、119件を精査、12件の観察研究を包含しました。高PEEPと低PEEP、標準表による設定と個別化滴定の優越性は示されず、推奨作成に十分な証拠は得られませんでした。著者らは、ARDSの表現型や病期をまたぐ個別化・生理学指向のPEEPを検証するプラットフォーム試験の実施を提言しています。

主要発見

  • 16,026件をスクリーニングし、119件を精査、COVID-19関連ARDSのPEEPに関する観察研究12件を包含。
  • 高PEEP・低PEEP、標準化・個別化PEEP滴定の優越性は結論づけられなかった。
  • ARDSの表現型・重症度・病期を横断する生理学指向の個別化PEEPを検証するプラットフォーム試験の必要性を提唱。

臨床的意義

COVID-19関連ARDSにおいて高・低PEEP表に硬直的に依拠せず、リクルータビリティ評価などベッドサイド生理学を統合すべきです。個別化滴定を検証するプラットフォーム試験への登録を優先してください。

なぜ重要か

現行エビデンスの限界を明確化し、画一的プロトコルよりも生理学に基づく個別化PEEP研究へと方向性を示したため重要です。

限界

  • 観察研究のみでメタアナリシスが困難なほど不均質性が高い
  • COVID-19関連ARDSに限定された知見で非COVID ARDS表現型への一般化に限界

今後の方向性

リクルータビリティや肺力学を取り入れた個別化PEEPのプラットフォームRCTを実施し、多様なARDS病因および病期を包含すること。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー
研究領域
治療
エビデンスレベル
II - 観察研究を対象としたシステマティックレビュー(メタ解析なし)。中等度の質のエビデンス。
研究デザイン
OTHER