早産児におけるサーファクタント必要性予測のための改良胸部超音波スコア:前向き多施設観察研究
総合: 71.5革新性: 8インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 7
概要
前向き多施設コホート(N=170)において、胸部超音波スコア(TUS)は酸素化とLUS同等の相関を示し、在胎34週以上ではサーファクタント必要性の予測性能がLUSより優れていた(AUC 0.971 vs 0.797、p=0.02)。一方、在胎34週未満では両者の性能は同等であった。
主要発見
- 早産児(N=170):サーファクタント投与58例、非投与112例で、投与群は在胎週数・出生体重が低かった。
- TUSおよびLUSはいずれも酸素化指標と相関:S/F比(r = -0.670およびr = 0.615)、OSI(r = 0.524およびr = 0.423)、いずれもp < 0.001。
- 在胎34週以上では、サーファクタント必要性予測でTUSがLUSより優れていた(AUC 0.971 vs 0.797、p=0.02)。在胎34週未満では両者は同等(AUC 0.956 vs 0.952)。
臨床的意義
TUSは、特に在胎34週以上の早産児でサーファクタント投与の早期判断に有用であり、不要な挿管の回避や治療遅延の是正に寄与し得る。導入には標準化された走査手順と術者教育が必要である。
なぜ重要か
本研究は、従来のLUSが苦手とする在胎34週以上の早産児に焦点を当てた改良スコアを提示し、サーファクタント投与の早期・非侵襲的意思決定の質向上に資する可能性がある。
限界
- サンプルサイズは中等度で、超音波評価の術者依存性の影響があり得る
- 臨床的ハードアウトカム(挿管率、在院日数など)への影響は介入試験で未検証
今後の方向性
独立コホートでの外部検証に加え、TUS主導プロトコールが臨床転帰や資源利用を改善するかを検証する介入研究が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- II - 前向き観察研究による中等度品質の診断エビデンス
- 研究デザイン
- OTHER