ノルウェーにおける重症急性呼吸器感染症のレジストリベース監視(2021–2024年)
総合: 64.0革新性: 6インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 5
概要
214,730件のSARI症例で検査カバレッジは高く(SARS-CoV-2 82%、インフルエンザ73%、RSV 53%)、流行ピークはこれら病原体により規定されました。ICD-10付与の中央値は5日で、ノーキャスティングと代替定義により即時性が改善。若年層では上気道感染(URI)を含めることで捕捉率が向上しました。
主要発見
- SARI 214,730例を同定。検査実施はSARS-CoV-2 82%、インフルエンザ73%、RSV 53%。
- 入院からICD-10 SARIコード付与までの中央値は5日(四分位3–10)。ノーキャスティングと代替定義で即時性が改善。
- 下気道感染(LRI)とCOVID-19コードのみでは0–29歳の約55%しか捕捉できず、URIを含めた定義で改善。
臨床的意義
ノーキャスティングを備えたレジストリベースSARI恒久監視を導入し、流行急増の早期検知、ICU能力の調整、年齢層に応じた対応を可能にすべきです。若年層ではURIコードを含めることで捕捉率が向上します。
なぜ重要か
PCRとノーキャスティングを統合した拡張性の高いレジストリベースSARI監視を示し、迅速な状況把握と資源配分を可能にします。恒久的全国システムの設計図となります。
限界
- 診断コードの正確性・完全性に依存し、臨床詳細や重症度情報が限定的
- 暫定システムであり、他国の医療体制への外的妥当性は不確実
今後の方向性
リアルタイムダッシュボードを備えた恒久SARI監視を整備し、ICU・死亡などの転帰、ワクチン接種歴、ゲノム情報を統合して帰属と予測精度を高めるべきです。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- III - 後ろ向き全国レジストリに基づくコホートおよびシステム評価研究。
- 研究デザイン
- OTHER